リコーダー&チェンバロ曲集 立ち読みコーナー
   
  CD「ひらがなの手紙5」収録曲   
                                   

「小曲集 はるのむこうへ」 解説と楽譜

はるのむこうへ/すみれ/ウンガレスカ/夜に…/たんぽぽとねずみ/小さなアブ/ねむたくなるワルツ 

 
                               写真提供・西巻尚樹(VSOP英語研究所


 

 
 

-1-
 はるのむこうへ

春夏秋冬…春夏秋冬
…ぐるぐる回る四季の輪から ふっと飛び出したどこかに
はるのむこうがあります

毎日一生懸命に暮らしながら ときどき背伸びして探すと
山の影にチラッと はるのむこうの端っこが見えます

歩いても歩いても 走っても走っても
ちっとも近くなりませんが 遠くもなりません
はるのむこうは ほら あそこです



 
 「伴奏の手引き」
 
1~4小節目にかけて“ドーシーラーソーファーソーファーソ…”と続く4分音符は、
ほのかに暖かな春の風のイメージで、対旋律となってリコーダーを支えます。
この4分音符は8分音符と一緒に右手で弾くこともできますが……
(以下本文をご覧ください)

 
「はるのむこうへ」 楽譜

画像作成中

もう少々お待ち下さい!
    


 

 
 

-2-
 すみれ

すみれが 咲いています
そこに ここに あっちに そっちに

すみれは 8分音符です
8分音符が たくさん すみれが たくさん

見えたものを 聞こう!
聞いたものを 見よう!

春の野原は 8分の3拍子です


 
 「伴奏の手引き」
 
指遣いを決める…というのは基本的なことですが、曲の解釈とそれを実現する自分の体とを
繋ぐのに欠かせない、大切な手段だと私は考えています。
チェンバロの音は、立ち上がりが鋭く、キイを……
(以下本文をご覧ください)

 
「すみれ」 楽譜

画像作成中

次の楽譜は、ご覧になれます
    


 

 
 

-3-
 ウンガレスカ

小さな 小さな 小さな足が
トントンと 地面を踏んでます
陽気に 気まぐれに 愉快に 不まじめに

いけないことは いいこと
いじわるは しんせつ

こわいものは かわいい
みにくいものは きれい

妖精の国は 奇妙で へそまがり
へそまがりは 大好き!


 
 「伴奏の手引き」
 
人間が「音色」と感じているものは、「音そのものの色合い」ばかりではありません。
音の長さ短さ、繋がり具合、重なり具合、テンポの揺れ具合なども、使いようによっては
ガラッと音の感じを変えて、聞く人に「音色の違い」を感じさせます。
78小節ずっと、ほとんど同じテンポで通すこの曲をカラフルに……
(以下本文をご覧ください)

 


    


 

 
 

-4-
 
夜に…

ありったけの後悔の蓋が開いて
私は孤立無援だと 思いそうになる夜は
見えない岸を目指して 闇の中に舟を出します

櫂を手に 空を仰ぎ
同じように 櫂を手に空を仰ぐ人が
いるのだろうと思います

耐え難く長い夜も
終われば 朝が来ます
濡れた櫂を心に 私は舟を降ります


 
 「伴奏の手引き」
 
1~27小節と、55~終わりまでは「Molto Legato」で弾いて下さい。
ピアノに慣れた人間にとって、チェンバロをレガートで弾くのはなかなか大変です。
これは試練の曲かもしれません。私もピアノ育ちなので、いろいろ工夫をしました。
手と腕と、それに肩から胸を、一つの柔らかな皮袋のように……
(以下本文をご覧ください)

 


    


 

 
 

-5-
 
たんぽぽとねずみ

むかしむかし あるところに
ひろい ひろい のはらが ありました
のはらには たんぽぽが ほしのように さいておりました

ひろい ひろい のはらには
いっぴきの ねずみも すんでおりました
あるひ ねずみは たんぽぽに いいました

…さて
この先は 私も知りません
あなた 考えて下さいな!
誰も知らない国の 誰も知らない民話です


 
 「伴奏の手引き」
 
中間部は嵐の描写です。45~46小節でムクムクと黒雲が空を覆い、47~48小節では、
ねずみがブルブルと震えます。「ムクムクと黒雲が広がる感じ」を表すのにクレッシェンbンドが
欲しいのですが、普通のチェンバロには「次第に音量を増す機能」はありません。
こんな仕掛けをしてみました。……
(以下本文をご覧ください)

 


    


 

 
 

-6-
 
小さなアブ


“忙しそうですね!”
“あ、はい”

“よく飛びますねぇ!”
“え、まぁ”

“休みたいと思いませんか?”
“そうもいきませんよ”

“違う生き方を考えたこと ありませんか?”
“いや、全く考えたことないです、そういえば”

“一度やめてみちゃどうですか?”
“うるさいな、ほっといて下さい!”


 
 「伴奏の手引き」
 
一見単純な曲ですが、伴奏には様々なパターンが使われています。
パターンの変化の面白さが聞こえてくるように、弾き方を工夫して下さい。
キイに連動して、ジャックについたプレクトラムと呼ばれる小さな爪が、細い弦をはじいて
音を出すチェンバロは、繊細なタッチを求めます。言い換えれば……
(以下本文をご覧ください)

 


    


 

 
 

-7-
 
ねむたくなるワルツ

ねむたくなると
ぼうっと からだが温かくなって
ふうっと まぶたが下がってきます

ねむりの国から ご招待
さぁ 何もかも 忘れましょう

ねむたいときに がまんして
しなくちゃならない大事なことは
ほんとは 一つもないんです

ねむりの国から ご招待
ワルツに乗って さぁ どうぞ


 
 「伴奏の手引き」
 
ねむたそうに弾きましょう。3拍子は几帳面にならないように。
アルペジオは、ゆっくりめに弾いて下さい。
20~34小節は、リコーダーが“う~ん”とノビをします。チェンバロはルバートして
“あ~あ~あ~あ~あ~”と、大きなあくびを……
(以下本文をご覧ください)

 


     


                                        写真提供・西巻尚樹(VSOP英語研究所

 
 
 


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